「おせんころがし後日譚」のエンディングに使わせていただいた曲は、
風可&葉羽さんの「雲珠」という曲でした。
重い罪を背負った男女が死んでも死に切れず永い時を
悲しみを抱えたまま漂うしかないという、切ない歌です。
未来永劫続く絶望の輪廻・・・・ではあるのですが、
私はその歌詞の中に一筋の救いの光があるような気がしたのでした。
今回使わせていただいたことで作者さんにお礼のメールを入れたところ、
見てくださって「怪談でこのような美しい表現は初めて見ました。」との
返事をいただきました。
それはとても嬉しい言葉です。
出していいのかどうかと迷いましたが、形にして良かったです。
語りはあくまでも自分の体験した出来事と感じた戸惑いや怖さの話ですが、
語っている最中ずっと悲しみが心を占めていました。
それが、ロケをした5年前とも、初めてこの話を怪談会で語った2年前とも違うところ。
あそこに集まっている霊たちと私は何が違うのでしょうか?
何も違いなんてありはしません。
普通に生きていた人達が不運な亡くなり方をして、この場所に流れ着いてしまっただけ。
もしかしたら、いつかの私、これからの私。
もしくは、私の大切な人だったかも知れないのです。
決して自分とは無関係の、ただ怖ろしいモンスターではありません。
最後の歌は、確かに悲しいけれど、それでも光を求めている心があるという所に
私は救いを感じました。
どこまでも遠いけれど、でも、いつか。と。
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