とある街のどこかの路地裏にひっそりと佇む一軒の店、夜魔猫亭。
いつ開くのか、何の店なのかも謎。
それでも気まぐれに明かりが灯る時、どこからともなくお客がやってくる。
ここは誰もが本当の自分の姿でいられる場所。

いらっしゃいませ。どうぞごゆるりと。
 

放送はYouTube LIVEにて

【投稿】不思議な記憶【奇妙な話】

怖い話が好き!
私には、幼いころの不思議な記憶があります。
ただ状況が不自然なため、それは夢の中の記憶だと思っていました。
その記憶では、私は父方の実家で祖母と一緒にいるのでした。
そこは、南側と北側に、幾つかの座敷が並んでおり、
南側中央にある8畳の真向いに6畳と4畳半の部屋がありました。
その西側の4畳半が祖母の部屋でした。
記憶に残っている情景の中で、
祖母は自分の部屋で隣の6畳の間の方に向かって正座をしており、
私はその膝の上に抱かれて座っているのです。
時間はわかりませんが、夜明け前のように薄暗く、
他に人がいる様子はありません。
祖母は座ったまま、口の中で何かをずっと呟いていますが、
何を言っているのかは、幼い私にはわかりません。
しばらくすると、隣の6畳の間にボウッと明るく丸いものが浮かび上がってきました。
真ん中が明るくて、外に向かって暗くなっているので輪郭がわかりづらいのですが、
だいたいバレーボールを一回り小さくしたくらいの大きさだったと思います。
「何だろう?」とわけもわからずに見つめていると、
その丸いモノはフワフワと右に移動をはじめ、
廊下をはさんで向かいの8畳間の方へ進んで行きました。
明りはそのまま、右前方から、右の後方へ、
後ろを回って、左後方から、ぐるりと前に来ると元の位置へ、
そしてまた右の8畳間に向かう。
しかし、こんな事はあり得ないのです。
部屋のふすまは閉まっていますし、壁やタンスもあり、
何かが通り抜けるどころか、光が透過して見えるはずもありません。
でも、私には見えていました。
部屋を通り抜けて何度も何度も回り続ける丸い光が。
そうこうしているうちに、私は眠ってしまったようです。
その記憶を、私はずっと夢だと思っていました。
なぜなら、父方の実家の間取りはその記憶とは違っていますし、
母と祖母とは昔から犬猿の仲だったので、
幼い私を預けるとは思えなかったからです。
すると最近になって、
一度だけ私を父方の祖母に預けたことがあるということを聞きました。
それは私が2歳になる少し前で弟が生まれた時。
丁度母の兄弟の出産が重なり、母方の祖母に預けることができなくて、
仕方なしに父方の実家にお願いしたのだそうです。
しかも、その頃の実家は改築する前で、
間取りも祖母の部屋の場所も、私が覚えていた通りだったそうです。
つまり、私が1歳と11カ月2週間の時に見た不思議な光景は
夢ではなかったということでしょうか。
でも、いくら考えても、あれが何だったのかは今でもわからないのです。

(鵺さんからのご投稿より)

コメント