私の小学生の頃の話です。
父は小さいながら鉄工所を経営していましたが、
工場の周囲は民家に囲まれており、残業をすると騒音問題になるため帰宅は早く、
夕食時は一家揃って、その日あったことを話すのが常でした。
そんなある日の団欒の中で、私がクラスメートのМ君が盲腸で入院した話をすると、
М君のかかっている病院で看護師をしていた母が、2週間ほどの入院になると言いました。
そしてその通り、2週間後にМ君は退院しました。
それから数日後の夕食時、
今度は2歳下の弟が同級生のМさんが盲腸で入院したという話をしました。
このМさんという子は、私の同級生のМ君の妹だそうです。
「兄妹そろって盲腸になるとは珍しいこともあるものだ」ということでその場は終り、
それからやはり2週間後にМさんは退院。
するとまた数日後、弟がМさんのお母さんが入院したと言うのです。
理由を聞くと、また盲腸。
2週間後にМ君のお母さんが退院すると、数日経ってМ君のお父さんまで盲腸で入院です。
こんなに続くって普通じゃない。
夕食時に、家族でそのことが話題になりました。
「次々と盲腸になるなんてまるで伝染病みたい」と私が言うと、
父は、
「いやいや、体質が似ている家族で、同じ食事をしているわけだから、
食事が原因で、体力の無い者から盲腸になっているんだろう」と言います。
一見説得力がありそうですが、親と子、兄妹なら体質が似てるとしても、
お父さんとお母さんは元々は他人、そんなわけはありません。
すると弟が一言。
「呪いか、祟り・・・だったりして・・・」
静まり返る食卓。
誰も何も言いませんが、そうかもしれない、と皆が思ったのでした。
いったい、М君の家族は何をしたのでしょうか?
(鵺さんからのご投稿より)
コメント